【Premiere Pro】自動文字起こしを使ったテロップ作成方法。効率を比較してみた。

【Premiere Pro】自動文字起こしを使ったテロップ作成方法。 効率を比較してみた。

こんにちは。入社一年目のコマツです。
こちらの記事では、動画編集ソフトPremiere Proでテロップを作成する際に使える自動文字起こしを用いた方法について紹介します。

はじめに

今回作るテロップは、スタイルやエフェクトなどをかけて自由に編集できるエッセンシャルグラフィックスを用いたテロップです。

テロップのスタイル

サンプル用のテロップを一つ作ってエッセンシャルグラフィックスパネルの「スタイル」から「スタイルを作成」を選べば、テンプレートのような形で呼び出すことができます。

通常であればこのベースとなるテロップを複製してテキストを入力していくのですが、Premiere Proには自動文字起こしの機能があり、せっかくなのでそれを利用して一気に進めたいところです。

自動文字起こし機能の使い方としては、
画面上部のメニューバーから「ウインドウ」→「テキスト」でテキストパネルの表示
パネル上部から「文字起こし」タブを開き、右上の「…」から「自動文字起こし」→言語などを設定して文字起こしを開始

自動文字起こし テキスト

こちらで動画の音声から自動的にテキストを生成して、タブに表示してくれます。文字起こしされたテキストは、タブから編集・修正することも可能です。

そして「…」から「キャプションの作成」を使用すると、タイムライン上の「サブタイトル」にテキストがキャプションとして表示されます。

キャプションの作成
自動文字起こしから作成したキャプション

単に字幕を入れたい場合はこちらを使えば問題ないのですが、テキストごとに色を変えたい場合などに扱いづらいのが難点です。

そこで今回は、自動文字起こしで生成したテキストをなんとかエッセンシャルグラフィックスに変換する方法で、効率的かと思われる二つの方法を紹介します。

①Srt to XMLで文字起こしをXMLファイルに変換

一つ目は、自動文字起こしを用いたキャプションをsrtデータとして書き出し、外部ツールを用いてPremiere Pro用のXMLファイルに変換するという方法です。

まず、先程の手順でキャプションを作成します。

テキストパネルの「キャプション」タブに移動し、「…」から「SRTファイルに書き出し」を選び、ファイルを書き出します。

SRTファイルに書き出し

次に以下のURLのサイトを開き、ファイルを読み込んでXMLファイルに変換します。
Srt to XML for Adobe Premiere Pro

Srt to XML

変換したファイルをPremiere Proで読み込み、タイムラインにドラッグ&ドロップすると、キャプションがエッセンシャルグラフィックスとして配置されます。

エッセンシャルグラフィックスのスタイル(画像赤枠)をタイムライン上のテロップにドラッグ&ドロップするとスタイルが反映されます。

スタイルの反映

ファイルを書き出して変換してまた読み込んで…と、行ったり来たりする必要がある点と、外部ツールを用いる必要がある点がありますが、作業自体はシンプルで効率的だと言えます。

ただ自分が行った際は、反映するスタイルの範囲外であるエッセンシャルグラフィックスの「整列と変形」の部分がうまくいかず、一つ一つ調整する必要があったため、XMLファイルから呼び出されるテロップに合わせたスタイルを用意しておくといいかもしれません。

②Premiere Proの新機能(ベータ版)で文字起こしをエッセンシャルグラフィックスに変換

二つ目は、Premiere Proのベータ版(開発中のお試しバージョン)の機能を用いた方法です。
ベータ版はCreative Cloudの「ベータ版アプリ」からダウンロードすることができます。

Premiere Pro(ベータ版)のダウンロード方法

注意点として、ベータ版では現行のバージョンのファイルを読み込むことはできても、ベータ版のデータを現行で読み込む互換性は無いようです。よって作業をベータ版で完結させるか、テロップ以外を完成させてから作業する必要があるかと思います。

ベータ版でファイルを開き、「キャプションの作成」で作成したタイムライン上のキャプションをすべて選択します。
メニューバーの「キャプションをグラフィックにアップグレード」を選択すると、エッセンシャルグラフィックスに変換されて自由に編集することができます。

キャプションをグラフィックにアップグレード

こちらの方法では作業をPremiere Proのアプリのみで完結させることができ、かつ操作も非常に少ない手順で作業することができます。

ただこちらも変換したエッセンシャルグラフィックスと用意したスタイルがうまく噛み合わず調整が必要でした。

現状(2022年12月時点)ではベータ版のみの機能になっていますが、いずれ現行のアプリにも導入されれば作業の効率を一気に上げることができると考えます。

おわりに

以上にて、自動文字起こしのテキストからエッセンシャルグラフィックスのテロップを作成する方法を二つ紹介しました。

実際に触ってみた印象としては、作業にかかる時間はどちらもほとんど変わりませんでした。
強いて言うならXmlファイルに変換する方法は現行のアプリで対応できるものではあるものの、二つ程ファイルを作成、管理するのでやや手間がかかるという点がありました。
ベータ版の機能が本格的に実装された後は、あまり使われなくなるのではないかと感じました。

どちらも簡単にできてテロップ作成の効率を上げる方法になりますので、気になる方法を試したり、またどちらかの方法がうまくいかなかったりする際に本記事を活用していただければと思います。