エンジニアからディレクターになって感じた5つのこと。

エンジニアからディレクターになって感じた5つのこと
Webサイトの受託制作の仕事をするようになってから、11年目になりました。
最初はアルバイトからのスタートで、HTMLコーダーに始まり、デザインやディレクション、サーバサイド等、様々な制作案件に携わってきました。
前職ではエンジニアとしての時間が一番長かったです。

ネクストページに入社し、現在は主にディレクターとしてプロジェクトの進行管理を担当することが多いです。
そこで、エンジニアからディレクターになって感じたことをまとめました。

1. クライアントに信頼して仕事を任せてもらえる

僕も経験があるのですが、これまで主に制作をしていた人は他の営業やディレクターに比べて人前で話すという経験が少ないため、クライアントとの打ち合わせに行っても不安な時があります。

それでも制作、特に技術に関して自信を持って答えることができると、多くのクライアントに信頼してもらえます。
そうなると会議での会話もスムーズになります。
たまには無茶を言われることもたまにありますが・・・。
クライアントの要望を聞くだけでなく、自分の強みを活かして提案をすることが、お互いにとってメリットのある事だと思います。

一つ気をつけるべきポイントは、今のトレンドや技術、仕様を優先して提案することで、クライアントが叶えたい目的から逸脱してしまわないように注意する事です。
あくまでも、要望に応える最適な手段として技術を提案することが大事です。

2. プロジェクトのつまずきそうなポイントを察知できる

弊社のような受託制作では、どの案件もクライアントそれぞれの意向があり、「以前に作ったものと同じものを作る」ということはほとんどありません。
そのため、プロジェクト内で技術的に複雑になりそうな点や、スケジュールに無理が発生しそうな点も毎回違ったものになります。

制作の経験者であれば自分が開発をした場合のイメージができるので、難しくなりそうな部分を事前に察知し、解決に向かうことが出来ます。

スケジュールに関しても、企画からデザイン、HTMLコーディング、実装とそれぞれの段階を踏んで進行することが多いですが、例えば企画の段階で完成形や動きをイメージできるモックを作成したり、工数の掛かりそうな実装を前倒しに進めたりと、制作全体を俯瞰することができれば、プロジェクトに応じて柔軟に対応しやすくなります。

3. 正確な見積りをすぐに出せる

制作を経験していれば、クライアントからの要望に対して、工数がどの程度になるかすぐに分かるので、見積り作成にもあまり時間がかかりません。
また逆に自分が見積りできない、工数が分からない分野も把握できるため、誰に聞けば問題が解決できそうかも判断できます。

過信しすぎるのも良くないので、クライアントに見積りを出す前に社内で確認することは必要ですが、急な見積り対応などに困ることは少ないです。

しかし、逆に自分が作業を行った時の工数そのままで見積りをすると「これはすぐ出来るから」「単純な作業だから」とついつい安価な見積りを
してしまう可能性もあります。

もちろん不当に高い見積りにする必要はありませんが、確認作業やクライアントへの報告などのディレクション業務も想定した工数にしないと、見積りよりも作業が多くなってしまうことがあります。
また一度価格を下げてしまうと、次回以降に見積り金額を大きくすることが難しくなることもあるので、初回の価格設定には注意が必要です。

4. 苦手な分野の進行もやらなければいけない

制作を経験していたといっても万能ではありません。
デザインのディレクションなど、あまり知識・経験が活かせない業務も発生します。

そういう時はデザイナーに相談しアドバイスをもらうなど、周囲に頼るのが良いと思います。
「苦手なことをやる必要は無い」とまでは言いませんが、自分の持っていない点を補完してくれる同僚・先輩を見つけておくといざという時に相談しやすくなります。
また日頃からその人のやり方を真似ることで、上手い進行方法も見つかるかもしれません。

5. いざという時に制作の手伝いをすることができる

案件によっては、どうしても厳しいスケジュール内で制作をしなければならない時があります。
そうした時に、自分が助っ人として制作の手伝いが出来ると疲弊する同僚を助けることができますし、社内リソースの分散にもなります。

ただその場合は自分自身も最新の制作技術や、案件の内容を把握していないといけないので、言うほど簡単ではありません。
制作者としての活躍も続けていきたいなら、社内の状況も踏まえて、自分はどういったスキルを必要とされているかを考えながら勉強を続けていく必要があります。
以上です。

新たにディレクターになる人や、今はエンジニアだけど将来はプロジェクトの
進行が出来るようになりたいと考えている人の参考になれば幸いです。