ソコソコ勝てる企画書を短時間で書く方法。

kikakub

ブログ初参加のディレクターの田村です。よろしくお願いします。

今回のブログの対象者は、Webサイト制作に携わる新人のプランナーやディレクター、営業の方などです。
企画書制作にあまり慣れてない方は是非お読みください。

さて、企画書制作は、ヒアリング、アイデア出し、調査、デザイン制作(構成制作)など、行程も多く、どうしても完成までに長時間かかってしまいます。
お客様のご期待に添い、ご納得いただける企画書を書くには、1~2週間は最低ほしいところです。
まして勝てる企画書となると、さらに時間が必要になるかもしれません。
しかし、実際いかがでしょうか。日々の仕事に追われる中で、どれだけの時間を企画書制作に使うことができるでしょうか?
おそらく、残業したり、休日出勤するなどして制作されている方が多いのではないでしょうか。
そんな時間も体力も必要な企画書制作を楽に、早く、そして勝てるものにするために、少しでもお役に立てればと思っております。

では、早速、短時間で勝てる企画書を作るために、お勧めしたい方法をいくつか紹介させていただきます。

とにかく企画書を集めよう。目にする機会を増やそう。

普段あまり企画書を書かない方が「企画書よろしくね」と言われたとしても、簡単に書けるものではありません。
慣れていない方にとっては途方もない作業になってしまう場合もあります。
そのような方達には、是非企画書に触れる機会を増やしていただくことと、企画書で使えるネタを常に意識して集める習慣をつけることをお勧めします。

企画書を集める方法を3つ紹介します。

同僚や先輩が書いた企画書はとにかく収集しよう

最も身近な同僚や先輩の書いた企画書はとにかく手に入れてください。
欲しいと言いにくい先輩などには「文字校正しますよ!」などの理由をつけてでも手に入れてください。
社内の人が書いた企画書は、もちろん参考にもなりますが、場合によっては、自分の企画書にそのまま利用することができるページもあるかもしれません。
時間を短縮するには最も効率的な方法の一つだです。

クライアントから支給された企画書も忘れず…

普段仕事をする中で、お客様からご提供いただける企画書があると思います。
その企画書も意識して参考資料として収集するようにしてください。
「参考にするところはないかな?」「盗めるポイントはないかな?」といった視点で見ていくと、参考になるポイントをたくさん見つけることができます。
ページネーションや言い回しなどは特に参考になると思います。

参考サイトから

企画書を纏めたサイトもいくつかあります。
無料で、精度の高い企画書を入手することができるので、是非利用してみてください。

例として、Fクラウドさんのブログを紹介します。

ネタ集めを習慣化しよう!

最近は「コンテンツマーケティング」について、あちこちの雑誌やブログで記事が書かれ、セミナーなどもたくさん開催されています。
つい先日までは「UI、UX」が多かったように思います。
おそらく、ライバル会社の企画書は、これらについて触れられていることでしょう。この流れを踏まえているのと、踏まえていないのでは、企画書の内容に大きな差が生じてくると思います。
今、業界がどこに進もうとし、何が求められているのかを常に把握しておくと共に、便利な機能や他社と差別化できるニッチな情報を意識して集めるようにしてください。
企画書を書きだした時に調べるのと、ストックしたネタから抽出するのでは作業時間に大きな差が生じてきます。
ネタ集めに使えるWebサイトをいくつか紹介します。(定番ですが…)

マーケティング系情報だけでなく、デザイナーやエンジニア向けの記事にもチェックしておきましょう。

勝てる企画書を書くコツ

では、実際に企画書を書くコツを紹介します。
最初に、企画書にはルールはありません。
何をどう書いたとしても、お客様が採用された企画書が正しい企画書になります。
知り合いのプランナーの中には、A3用紙1枚の企画書で勝負されている方もいらっしゃいます。
なので、以下に紹介する内容はあくまでも参考です。
テクニックとして知っていただき、必要に応じて使てみてください。

「誰」が「いつ」見る企画書なのかを意識しよう

まず、その企画書を誰が、いつ読むものなのかを確認しましょう。
対象は、最終決定権のある方なのか、広報担当者の方なのか。
メールでのみ提出するものなのか、プレゼンで利用するものなのか、などによって、企画書のボリュームや内容は変わってきます。

例えば、最終決定権のある方が対象なのであれば、当然数値的根拠が非常に重要になってきます。
プレゼンで利用するのであれば、1ページのボリュームを極力単純化し、短時間で内容を伝えることができるものにしないといけません。
これを見失うと、勝率は確実に下がってしまいます。

ページネーションを作ろう

企画書を作る時、一番まずいのは、頭から思いつくまま書いていく方法です。
時間もかかるし、無駄も増えます。
ページネーションとは、その名のとおり、企画書のページ割りです。
どのページに何を書いて、どういった流れで展開するかを最初に決めておきます。
ツールは、付箋や、PowerPoint、keynoteなど、後でページの入れ替えがしやすいツールであれば何でもよいです。
必要と思うページのタイトルを各ページごとに書いてください。
全て書けたら、内容の漏れ、冗長になっている箇所を調整しながら順番を最適化してください。
プレゼンの流れを意識して並び替えると比較的綺麗な流れが作れます。(プレゼンが無い場合でも、この方法は有効です)

与件、問題点を纏めよう

与件の整理はとても大切です。
与件はお客様が抱える問題点。問題点を解決しないのであれば、そもそも企画などする必要もありません。
企画の骨子を作るための準備として与件は必ずまとめてください。
また、与件以外に目につく問題点や課題点などがあれば合わせてピックアップしましょう。
お客様の目の届かないところに気付いてあげることも企画の大切なポイントになります。
与件と問題点・改善点を最初に掲げ、それらを解決する方法を順序立てて説明すると、スムーズな流れになります。
ただし、掲げた与件や問題は確実に企画の中で潰すようにしてください。
掲げた与件は、1つでも残してはいけません。
不安をお客様に与えるだけになるので注意してください

与件・問題点・改善点は、もれなく全て企画で潰しましょう。

与件・問題点・改善点は、もれなく全て企画で潰しましょう。

データを収集しよう

ターゲットの属性調査や、市場状況の統計は企画に説得力を持たせるために大切な要素となります。
しかし、大手広告代理店様や企画書制作に膨大な予算をかけることができない限り、残念ながらデータを収集することは非常に難しいです。
データによっては、収集するのに膨大な時間を要してしまう場合もあります。
なので、まずデータを探す場合は最初に統計レポートを公開しているWebサイトから探すようにしてください。

例のひとつとして、MARS DESIGN さんがまとめられた記事を紹介します。

その中でも僕がよく利用するのは、情報量が豊富な「調査のチカラ」です。

この企画は「何がメリットで、何が売りなのか」を明確にしましょう。

ただ、綺麗なデザインを提案しても、優れた機能だけを提案しても意味がありません。
企画の内容は「このWebサイトを作ると、お客様は何を得ることができるできるのか」をしっかり伝えることが重要です。
僕は企画の序盤で必ず「企画のテーマ」を紹介するページを設け、企画の方向性を明確にするようにしています。
ここが固まれば後はスムーズに企画を進めることができると思います。

「企画のテーマ」ページの構成は以下のとおりです。

1)Webサイトのテーマ

制作すべきWebサイトの方向性をテーマとして記入します。

例)
「ターゲットを意識した使いやすさと、●×社らしい明るく清潔なWebサイト」
「「強み」と「雰囲気」が分かりやすく伝わるWebサイト」
「集客を第一条件としたSEOにこだわったWebサイト」

2)施策概要

1)で掲げたテーマを実現するための施策を紹介します。
導入するコンテンツの具体例や、工夫するポイントなどを記載します。

3)お客様が得ることができるメリット

テーマに則った施策を実施することでお客様が得ることができるメリットを記載します。

例)
「資料請求、説明会参加など引き合い増加」
「売上●●%増加」

これ以降のページでは、2)で紹介した具体策を1ページ、1ページ詳しく記載してください。
ただし、企画の流れを変える要素は追加しないよう注意してください。
何となく、このネタは入れておいたほうがいいな…と思う要素があると思いますが、企画の流れを歪めるものであれば、思い切って削ってください。
無理して入れると、プレゼン時お客様の顔色を曇らせたり、高まった熱を下げる要因になりかねません。
当然、企画書制作の時間が長くなる原因にもなります。

企画を具現化するデザイン

企画した内容を具体的に説明するのがデザイン案です。
デザインと共に拘ったポイントを説明文として記入するようにしてください。
デザインは前段で説明した企画の内容を具現化するものです。
いくら恰好が良いデザインだったとしても、企画から逸れるものであれば、これまで書いてきた企画が無駄になってしまいます。
しっかりデザイナーと意思疎通を図ってデザインを作るようにしてください。

デザインを企画書で見せる時のポイントを1つ紹介します。
特にA4用紙で企画書を作る場合は、別途A3用紙で出力したデザイン案のみで構成された資料を作るようにしてください。
せっかく作ったデザインなので、大きな用紙でしっかりお客様に見てもらうようにしましょう。
※サーバーにアップしてお客様のパソコンで見ていただくようにするのも効果的ですが、プレゼンの場合は用紙がお勧めです。

まとめ

最後に、精度が高く、短時間で企画書を作ることができる方法を紹介します。
もし、可能なのであれば複数人で作りましょう。

まとめるリーダがいればこれは最強です。
企画書は何も一人で徹夜して書く必要はありません、手伝ってくれる人がいるなら、部分部分でも手伝ってもらうようにしてください。
アイデアも増えるし、時間も確実に短縮することができます。

また、商品やサービスを好きになることも勝率を上げ、短時間で企画書を書ける方法の一つだと思います。
可能な限りお客様の商品やサービスに触れ、メリットをたくさん見つけファンになってください。
興味があるもの、好きなものを紹介する企画ほど強いものはないと思います!
ノリノリで企画書が作れるならスピードも向上すること確実です!