コンペに勝つプレゼン資料の作り方。

こんにちは、藤中です。

私たちは、これまで数多くのコンペに参加してきました。会社設立から職人気質に仕事をしてきたため、プレゼンではなかなか勝てない日々が続きました。
幾度となく失敗を繰り返していく中、資料の作り方に工夫を加え、勝てるようになってきました。

まだまだ成果が出はじめたところですが、私たちなりの勝つためのプレゼン資料ノウハウを公開します。

今回は数百ページまでの中規模Webサイトの新規・リニューアル案件を想定しました。

内容を考えよう。

論理的に作ろう。

与件、ターゲットの整理をきちんと行いましょう。お客様の「なぜWebサイトを作りたい(リニューアルしたい)のか?」の「なぜ」をしっかり考え、その課題を解決する方法を企画にすることが基本中の基本です。

見えない課題を見つけ出そう。

与件を整理していく中で、それまで見えていなかった課題が見えてくることがあります。
実際に商品を購入する、店舗に足を運ぶなどして、顧客としてお客様の商品やサービスと向き合うことで、与件に含まれていない課題やお客様に見えてないメリットが隠れていることがあります。
「実はここも痒いでしょ?」と言い当てれば、お客様にインパクトを与えることができます。

企画内容を考えよう。

プレゼン資料で最も大切なのは企画内容です。与件をふまえ、的を射た提案をしましょう。独創的で、高い効果が期待できる企画がよいのはもちろんですが、世の中をひっくりかえすような企画を連発できるのはスター選手だけ。多くの人がスター選手ではなく、実際の仕事で「世の中をひっくり返す」企画を求められることは、ほとんどありません。
お客様の課題を解決するため、知恵を絞って考えましょう。知恵がなければ汗をかいて取材する。Webサイトを成功に導くために、確実で現実性の高い企画をしましょう。ウケ狙いの実現性が低い提案では、コンペに勝つことはできません。

アイデアの源泉。

よい企画や面白い企画は、普段、どれだけアンテナを延ばしているかにかかってきます。プレゼン資料を作る人は、世の中のものに広く興味を持ち、「なんでも、とりあえずやってみる」心構えが重要です。
ときには、一見関係のない遊びの中から、よいアイデアが出てきます。

伝わる資料にするために。

内容がすばらしくても、伝わらない資料では、プレゼンに勝つことはできません。企画内容を伝えるために、注意すべきことがあります。

資料の順序。

  1. 事例紹介
  2. 与件・現状整理
  3. ターゲット
  4. コンセプト
  5. 各論
  6. 成果予測
  7. スケジュール

これが、プレゼンに強いディレクターから伝授されたプレゼン資料の順序です。

通常、別紙にしてしまいがちな事例紹介を企画書本編の冒頭に持ってきて、与件・ターゲットと合わせて、コンセプトに落とし込みます。
どういった情報を元に、コンセプトを考えたのか説得するためです。

1ページ1ポイントでなくてもかまわない。

「1ページで伝えるポイントは1つ」と多くの書籍には書かれています。企画書のサンプルを見ると、どれもこれもスッキリしており、見やすく分かりやすいものばかりです。しかし、実際には1ページに2つ以上伝えたいことがあったり、むしろ1ページにまとめたほうがわかりやすい場合もあります。ネクストページの企画書は、くどくど文字を敷き詰めることがあります。プレゼンに参加していない方に企画書が渡った時、後から企画書を見直された時、より理解を深めてもらいたいという思いからそうしています。
また、関西、特に大阪は、賑やかで詰まったものを好む傾向があります。「たくさん書かれているほうが得やん」というわけです。
文字が増えても見づらくならないよう、読んで欲しいポイントは文字を大きく、色を変え、図示できるところは図示する。そのページで伝えたいことは一目で伝わるよう配慮しましょう。

デザインも大切。

企画書はデザインも大切です。特にデザインを提案する企画書のデザインが“残念”だと、お客様に信用してもらえません。最低でも使う色やラインの太さ、フォントの種類やサイズ、インデント、右寄せ、中央揃えなどにルールを作ることは大切です。デザイナーでなくとも、企画書を作るなら最低限のデザインスキルは持っておきましょう。デザインのディレクションにも必要なスキルですから。
お客様が企画書をパラパラ見た時に、「やってくれそう!」と感じてもらいたいですね。

成果予測を入れよう。

ECサイトの売上、飲食店の問い合わせ数など、成果がはっきり出るタイプのサイトなら、成果予測を立てやすいのですが、来場やブランドイメージの向上を目的としたサイトの場合、成果予測を立てるのが困難です。

それでも、大まかに目標を立てることは可能です。やりかたは、PV数に対して、どの程度のユーザーが行動を起こすかを予測して、数値化しておくことです。
たとえば飲食店の場合に、総PVに対して1%の人が来店するという予測を立ててみます。

PV×0.01×1組平均人数×客単価

でサイトの売上予測が出来ます。コンバージョン率は、他社のアクセスログを参考にしたり、ネットの情報を調べたりして決めます。
※お客様のアクセスログを見られることは、お客様から信頼していただいている証なので、その数字を外部に漏らしてはいけません。

大まかにでも成果予測があるのと、ないのとでは、資料の説得力がまったく違いますよ。

プレゼンの練習もしましょう。

資料:プレゼン=5:5とも言われます。せっかく資料がよくても、伝わらないプレゼンだと意味がありません。
必要なのに苦手意識がある方は、若いうちに克服しておくほうがいいですよ。

まとめ。

  • 論理的に考えよう。
  • 見えない課題を見つけ出そう。
  • 内容を考え抜こう。
  • 資料の順序に気をつけよう。
  • プレゼンの練習をしよう。

コンペによっては「出来レースなのでは?」ということもあります。コンペにかかるエネルギーを考えると、参加するかどうかは慎重に決めなければなりません。
一見、勝ち目のないコンペでも、提案内容がよければ勝てます。「いい提案が採用される」ことを信じて最善を尽くさなければ勝てません。

みなさんも最善を尽くして、プレゼンに望んでください。
ネクストページと当たるときは、お手柔らかに。