Web制作を発注する際に、デザインを上手くコントロールする方法。


こんにちは、Web制作会社「ネクストページ」でデザイナーをしているiuchiです。

弊社では制作依頼を受けた際に、以下のようなことをお聞きしています。これは他の制作会社や個人でもそう変わらないと思います。

  • 予算
  • 目的(何故Webサイトを作りたいか、又はリニューアルしたいか)
  • 公開希望日、制作期間
  • ターゲット層
  • 気になっているサイト(以下参考サイト)やデザインのピックアップ
  • CMSの有無、更新方法
  • スマホやタブレットで見た際の挙動はどうするか
  • etc…

これからWeb制作を発注しようと思っている場合、これらの内容を事前に準備しておけばスムーズに話が進みます。
しかし、せっかく色々と前準備したのに、「思った通りのデザインがあがってこない…」「かっこいいんだけど、なんか違うんだよね…」なんてこともあるでしょう。デザイナーとしては、なるべく避けたいところですが…。汗

今回はそんな失敗をしないために、発注者がWebデザインをコントロールするポイントをまとめてみました。

参考サイトは方向性を定めて選ぶ


参考サイトは沢山あればあるほど良いですが、気に入っているからと言って全く違うテイストのものをあれこれ用意すると、それこそ好きな食べ物を闇雲に放り込んだ「闇鍋」になってしまいかねません。

ある程度方向性を決めて選び、「この部分が、こういう理由で気に入っている」と言った内容を一言添えると、イメージの共有が上手くいきます。

参考サイトを探す際は、大手企業や類似企業・ライバル会社のサイトをチェックする他、以下のようなWebデザインギャラリーを眺めるのもおすすめです。

メインカラーの選定は慎重に

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メインカラーは、Webサイトの印象を大きく左右します。「何となく」や「好きな色だから」などの安直な理由は避け、慎重に選びましょう。
オーソドックスなのはロゴに使用している色をメインカラーにするパターンです。ロゴは会社やサービスなどを分かりやすくイメージするものですので、色を揃えると「らしさ」がでます。

また、Webサイトを作る目的や、見てほしいターゲットに合わせて色を選ぶのも良いでしょう。
(例)女性に受けるサイトにしたいからピンク、グローバルに展開していることをアピールしたいから青、など

また、無理に選ばずに敢えて「こういう方向性のサイトにしたいんだけど、どういう色がいいのかな?」と相手に聞いてみるのもOKです。Web制作の実績や経験が豊富にある相手であれば、「この与件ならこの色が合いますよ」という案を出してくれる筈です。

独自のサービスや商品を紹介したい場合は、写真をなるべく自前で用意する

発注者からの写真提供がないと、多くの場合はストックフォトと呼ばれる有料の写真を購入することになります(弊社では「PIXTA」をよく利用しています)。
ストックフォトは販売しているサイトにもよりますが、比較的安価で高品質な写真素材を手に入れることができるので、自分で写真を用意したり、カメラマンに依頼する手間が省けます。
ただ、特殊なサービスや商品を扱っていて、それをWebサイトでアピールしたい場合には、ストックフォトではピッタリの写真が見つからないということがよくあります。
写真があるのとないのとでは視覚面での伝わり方が大きく違ってくるので、なるべく写真は用意しておきたいものです。

発注者が写真を用意する場合はカメラマンへ依頼するのが最も安心ですが、伝手や予算などの関係で難しければ、自分で撮った写真を素材として提供してみて下さい。

「自分で写真を撮る」と聞くと「専門知識もないし自分には難しそう…」と思う方もいるかもしれませんが、

  • なるべく高画質・大きいサイズで
  • ぶれないように
  • 正面や斜めなど色んな角度から数パターン、全体がはいるように
  • 大切な部分が光で真っ白、または影で真っ黒にならないように

最低限これだけ守って撮影すれば、デザイナーが色のくすみや角度などを直してくれる筈ですので安心してください。
良いカメラがあればそれを使うに越したことはありませんが、なければスマホのカメラでも大丈夫です。

なお、弊社では写真撮影の相談も受けていますので、お気軽にご相談ください。

修正指示を出す際は「何故そうしたいのか」を伝えるのを忘れずに

「あがってきたデザインが、なんかイメージと違った…」
こんな時、明確に「こうしてほしい」というイメージがあれば、分かりやすく説明したり、例を出したり、時には図に起こしたりなどして、上手く相手に伝える必要があります。

ただ、気をつけなければいけないのが、「何故そうしたいのかを伝えずに具体的な指示をしてしまうと、デザイナーは考えるのをやめてその通りにしてしまう」ということです。

よく例えられるのは、床屋です。
仕上がった髪型が思っていたものと違ったとして、それをただ「ここをもっと短くして」とだけ伝えれば、スタッフはその通りにするでしょう。
それを「この辺がなんか重くて気になるんだけど…もっと軽い感じにならないかな?」という風に、どこがどう気に入らないのかを伝えると、スタッフは知識と経験を元に「では、この辺を少しすいてみるのはどうですか?」という提案をしてくれるでしょう。

デザインも同じで、「ここをもっと目立たせたい!」と思ったとして、「ここは赤ででっかい文字に変更してください」とだけ指示すると、「でっかい赤」以外の選択肢がなくなってしまいます。
要素を目立たせる方法は色や大きさ以外にも、装飾の工夫や空間の取り方etc…。色んな方法があり、その中から最善のものを導き出すのがデザイナーの仕事です。

「何故そうしたいのか」を伝え、相手に考える余地を与えることで、より良いものがあがってくる可能性が高ま、という訳です。

勿論、何度指示しても思い通りにいかなければ、発注側が思う「答え」を提示した方が早い場合もあります。

まとめ

今回は「発注者がWebデザインをコントロールするポイント」という内容で書かせていただきました。
私も1デザイナーとして改めて、クライアントの意図を如何にくみ取れるかの大切さを再認識しました。
良いサイトを生み出すためのきっかけになれば、幸いです。