こんにちは。ディレクター3年目の竹根です。
今回は、お客様との円滑な打ち合わせの進め方について、体験談を交えながらご紹介します。
ちょうどディレクターなりたての1年生や、デザイナーだけどディレクションもすることになった…
「最初はどうすればいいの!? 何を聞けばいいの!?」という方に少しでも役立てていただければ幸いです。
ディレクターといっても企画、コピーライティング、制作進行、運営、ときには営業まで役割はさまざま。会社の規模によってディレクターの役割は違いますが、私は企画、制作進行、運営、簡単なライティングをするディレクターです。今回は「お客様から話を聞く」ことについて、私が普段気をつけていることをご紹介します。
まず大切なのは決めることじゃなく、きちんと聞くこと。
新規案件を担当する場合、はじめは自社サイトもしくは自社について一番詳しく知っているのはクライアントです。ディレクターは、「デザインやコンテンツを決めなければ」と思いがちですが、実は違います。
決定することは重要ですが、まずはお客様から案件について「詳しく聞き出すこと」が重要です。打ち合わせで的確な返答をすることも重要ですが、聞くことができなければ答えようがないのです。
知識の少ないうちは的確に返答することが難しいので、最初はできなくてもかまいません。まず、相手の話を聞きましょう。
スムーズにヒアリングするために。
では実際のヒアリングではどのような会話で進められるといいか、ポイントをご紹介します。
うなずき・同意・アイコンタクト
たとえば、友達に恋愛相談をしているとき、相手の反応がないと聞いているのか不安に感じます。
お客様も同じです。
相手の目を見て「うんうん」とうなづいたり、「そうですね」「なるほど」と、相手にきちんと聞いてますよという仕草をすることで安心してもらえます。
相手の話を聞くときは、肯定的に聞きましょう。間違ったことは指摘すべきですが、自分が言ったことを否定されると敬遠されてしまいます。
同意や共感をすることで、話す側も気持ちよく、もっと話したいという気分になります。
ここで効果的なのが、少し“前のめり”で聞くこと。
体全体を相手に向けることで誠実さやひたむきな印象を与えることができます。
「興味を持ってくれている」と感じてもらうことができます。
また、「あー、はいはいはい」など、過剰なあいづちは先走った考えをもっていないかと勘違いされ、逆に不信感を与えることになってしまうので、注意してください。
復唱・言い換え
相手の言ったことを復唱したり、同じ意味だけど言い換えて伝えることは、自分の伝えたことを理解してもらえているという安心感を与えられます。
自分の理解度の認識にもなりますね!
言い換えるときは専門用語は使わず、相手に合わせることも心がけましょう。
雰囲気作り
お互いに緊張したり、ガチガチに守り固めていたり、探り合っていては本音の会話は出来ません。
まずはこちらから歩み寄りましょう。
打ち合わせの最初に「今日も暑いですね」や「ニュースでこんなことありました」など、世間話をするだけで、場の緊張は少しほぐれます。専門用語でアイスブレイクというものです。
また、会話の最中でも相手に有益な情報、プロとして専門的な知識や情報を披露することで、相手に“お得感”を与え、「この人ともっと話がしたい」と思ってもらえると、1回の打ち合わせの中でも歩み寄りは可能です。
打ち合わせが終わった後
ヒアリングにするにあたって、打ち合わせ中は両者とも緊張した状態です。
打ち合わせ後、お互いがほっとした瞬間に実は本音を聞き出しやすいのです。
会議では複数人で話していた場面も、帰り際に担当者とだけ話す場面で特に言えることです。
何気ない会話の中でも、「実はこういうこともある」など、新たな情報が得られることも。
必ず確認する25個のこと。
聞くことが大切と述べましたが、やはり確認すべきことはあります。制作時に困らないよう、必要なことも確認しておきましょう。
相手の話した内容をメモすることで、きちんと書き留めてくれているという印象を与えることが出来ます。頭のいい人は記憶できることも多いので、メモを取らなくてもいいと思われるかもしれませんが、仕事が忙しくなると必ず漏れが出てしまいます。メモは必ず取ってください。
私は打ち合せの前に、あらかじめ確認することをメモしています。そして、そのメモに沿って打ち合わせを進行します。
以下は私がよくメモする項目です。
制作全体
- 予算
- 納期
- サイトを作る目的
- ターゲット
- 現在使用しているCMS
- スマホサイト
- リニューアルであれば、現在の課題・今後の希望
- サーバ環境
- ドメインの有無
- 競合
- ページ数(予想でも)
コンテンツ
- 商品・サービス
- SNS・ブログ利用の可能性
- パンフレットなど他の販促物の有無
デザイン
- ロゴ
- イメージカラー
- 好きなサイト
- 希望する系統(シンプル・かわいい・クールなど)
コーディング・プログラム
- 対応ブラウザ、デバイス
- CMS
- プログラム
マーケティング
- アクセスログ解析
- SEO
- リスティング広告、バナー
- 新聞など他媒体での告知
おおよそ上記の内容をカバーしていれば、企画や見積もりの作成が可能です。
確認すべき項目は、先にお客様から案件内容を聞く流れで確認できればベストです。ただ、全部を話の流れで聞くの難しいため、補足情報として後ほど確認します。私は最初のヒアリングで聞いた項目にチェックをつけていき、チェックのない項目を補足で確認しています。
ヒアリング時はヒアリングシートを使用している方が多いかもしれません。私の場合、ヒアリングシートを見ながらだと、それに引っ張られて本当に大切なことを聞けなくなってしまうので、自分用のメモで対応しています。初めのうちはヒアリングシートを使用してもいいかもしれません。
ヒアリングシートって何? という方のためにサンプルを作りました!
自由にダウンロードして使ってください。
さいごに。
ヒアリングとは「相手に気持ちよく話をさせること」です。
「ただ聞くだけ」ではないところが、実はちょっと難しいのです。
ただ、難しいのは最初だけ。場数を踏んでコツさえつかめば、自然にレベルアップできます。
好きな人のことであれば、もっと知りたいと思うように、まず、お客様のことに興味を持つことが大切。
昔から人見知りでコミュニケーションがすごく苦手な私は、人の話を聞くことだけは得意でした(気づいていなかったのですが)。
先日ある方に、「私、会話が苦手なんです。あんまり言葉が出てこなくて…。自分でもわかってるんですが、聞く側に回ってしまって」と、コミュニケーションって難しいよねという話をしたところ、「それでもいいんですよ! 聞く方が難しいんです! あなたはちゃんと聞いてくれるので、こちらは安心してもっと話したいという気持ちになります」といってくださりました。
人と関わる仕事をされている2名の方から同時期に言われたのでびっくりしましたが、きちんと聞くことはとても重要だと再確認しました。
それからは今まで以上に、ヒアリングに気を遣っています。
ここで書いたことは、私が実行してきた内容なので、人によって合う合わないがあると思います。
一概にこれがいいということではありませんが、ヒアリングに不安がある方はぜひ実践してみてください。
慣れてきたら、自分なりのやり方を見つけてくださいね!