グラフィック専攻学生がWebデザインでつまづいたこと。

グラフィック専攻学生がWebデザインでつまづいたこと。
はじめまして、デザイナーのカンノです。
この季節になると毎年こたつを出すタイミングに悩みます。

さて、いきなり自分語りします。
タイトルを見て分かる通り、今年までグラフィック専攻の学生をしていました。主に製本やパッケージ・ロゴ制作、タイポグラフィなどを学んできました。就活する中でご縁があり、このネクストページで働くことになりました。何が言いたいかというと、私はちょっとデザインかじったWeb初心者だったということです。そこで、入社初ブログは「グラフィック(主に紙媒体)専攻学生がWebデザインでつまづいたこと」について書いていこうと思います! 今からWebデザインしたい人も自分もそうだったぞ! と人も読んでいってください~。

そもそもルールが違う

色のルール

紙媒体(ここでいう印刷物)は「CMYK」という4色を使って色を出していきます。しかし、Webサイトは「RGB」で3色のみ使って色を表現するということがルールとしてあります。せっかくデザイン完成してもCMYK形式だと「こらこらっ」となる訳です。

文字のルール

色はある程度気を付けていけばひっかかることはないのですが、製本に慣れている人は文字の大きさ・扱いに戸惑うことがあるのではないでしょうか?私もその一人です。製本に慣れていると文字と小さくしてしまうのです・・・。大学時代、”級(Q)”といった文字の単位を使っていました。級とは、文字の大きさを表す日本独自の単位で、主に写真植字で使われるものです。文字の読みやすさなど考えて12Q~小さくても8Qを使います。mmで表すと3mmほどになります。読む人の年齢などで多少変わりますが、文庫本などをサイズを考えるとこの大きさが妥当だと考えられます。対して、Webでは”px”という単位を使っており、同じ数字でもサイズ感が変わっていきます。同じ12でも㎜だと4.23㎜となり、あれ? 数値だけ考えると大きくなってるぞ? 大丈夫か? と思ってしまいます。そこから数値のドツボに入っていくのです・・・。

実はWebサイトの文字は本・雑誌類のサイズ感で考えると大きめに設定しなければ、ブラウザの大きさに釣り合わない&小さい&見づらいとなってしまいます。数値だけで、しかも級で考えた設定をしてしまうと、12で大きくなった? それなら少し小さくするか! とどんどん小さくして、読めない・見づらいデザインが完成するのです。怖いですね・・・。最初にサイトのトップデザインを作成した際、文字が小さくなって「これは本を作る時にするデザイン! Webじゃないぞ! 」と言われたことを思い出します。ちなみに、今読んでいる文字は16pxです。数値だけ聞くと大きく感じますが、通常で本文に使われるサイズです。

グラフィックにおける自由とWebデザインにおける自由

文字のルールについて書き過ぎました・・・ 次行きます。
今までパッケージデザインやエディトリアルデザイン作品を作った時、大きさや素材の硬さ・触り心地などで類似作品に差をつけたり「個性」を出すことができました。しかし、Webデザインでは素材? 全部液晶だよ!!!!! となります。またにシンプルに「見た目」勝負です。Web初心者ここでどうやったら個性は出せるのだ? となります。更に素材だけでなく大きさも、大きさ? 全部同じだよ!!!!!!! ですね・・・。なので、いわゆる自由度でいうとWebデザインは限られてるのかなと感じました。

しかし、アニメーションや動画、jsなどで動きを出したりなど、デザインを「動かす」ということはデジタルを通さないとできないことであり、違いでもあります。グラフィックだとなかなかできないことなので、自分のデザインをコードで設定して動かしたときは今までに感じたことないちょっとした感動を覚えました。

UIを考える

学生ということもあり、コンセプトを自分で考えて自分なりのカッコよさを追及して満足! といったように正直、利便性を考えずカッコよかったらいいのだという考えがありました。しかし、現在はもちろん仕事ですし、そういう考えだと殴られるでしょう。ボコボコ袋叩きです。なので、カッコよくて更に利便性を追求していかなければなりません。このボタンカッコいいけどすぐユーザーの目に留まるか? 押してもらえるか? 誘導機能はあるか? そこも考えていきます。これはグラフィックとの違いじゃないですね、学生時代と現在の違いっぽくなりました。

コーディング

内容がずれたので戻しましょう。
Webサイト制作でかかせないのがコーディングです。もちろんWeb初心者である私は苦戦しました。今でも絶賛苦戦中です。紙媒体だと目に見える・手で触れるもので作ったり組み立てたりしますが、Webサイトではデザインしたものを数値・言語だけで組み立てたりするということが未だに不思議に感じます。

おわりに

紙媒体系のデザインもWebデザインもそれぞれ違って、それぞれの良さがあります。個人的にWebデザインは一瞬のパズルのようなものだなと思います。上手く構築するには次に何を置くのか、ものすごく繊細なものだと思います。まだWebデザイナーとして働いて約半年、技術力としてはまだ繊細とは言えませんが、これから成長して、更にいいものが作れるようになりたいと改めて思ったカンノでした。楽しみながらデザインしていくぞ!