商業イラストを描くときに注意する6つのこと。

あけましておめでとうございます! イラストレーターのこばやしです。

今回は、私が普段イラストの仕事の際に注意していることをご紹介します。
これからイラストの仕事をされる方のお役に少しでも立てれば幸いです。

1.何のイラストを描くのか確認する

知らないものを描くとき

自分でもよく理解していないイラストは、多くの場合他の人も理解できません。

医療や栄養学といった、専門的で難しい内容のイラストであっても、自分なりにきちんと調べましょう。

現在はWikipediaや専門の情報サイトなど、ネットだけでもある程度情報を入手できます。
一通り調べてからイラストを描くと、理解していなかったときよりも良いイラストが描けます。

コンテンツの内容を詳しく知る

また、何らかのコンテンツのイラストを作成するときは、コンテンツの内容に関する情報をできるだけ集めましょう。
(コンテンツの原稿を見せてもらうのが一番良いのですが、原稿とイラストが同時進行の場合も多くあります。)
自分のイラストがどういったコンテンツでどのように使われるのか知っておくことで、イラストの方向性などを決められると思います。

2.レギュレーションを守る

レギュレーションとはルールのことをいいます。
レギュレーションはクライアントによって異なるため、最初に描いてはいけないものなどを確認しましょう。

例えば、以前「人物の指は5本必ず描く」というレギュレーションがありました。
このときは、5本見えない角度やポーズの手でも5本描かなければいけなかったので少し大変でした。

3.データ形式を確認する

データ形式や提出方法なども最初に確認しましょう。

完成したイラストをクライアントに提出しても、データが開けなかったり、使用できないデータ形式だった場合、もう一度やりとりが発生してしまいます。

IllustratorやPhotoshopのデータは、CSのバージョンも確認しておくとよりスムーズです。

データの渡し方も、複数のイラストを1つのファイルにまとめるのか、1つずつ別ファイルを作成するのか。
納品はメール添付するのか、外部のデータ送信サービスを使うのか、専用のアップローダーがあるのかなどを事前に確認しましょう。

4.カラー設定、解像度を確認する

カラー設定や解像度は後から変更すると調整が大変です。
最近ではRGBで印刷できるところも増えてきているのですが、印刷原稿のカラー設定の多くはCMYKです。

Webやアプリなど、モニターでのみ使われるイラストはRGBで解像度は72dpi。
印刷に使われるイラストはCMYKで解像度は350dpiで作るのが一般的です。
印刷データでは、2色刷りや特色を用いたデータを作成する場合もありますので、こちらも事前に確認しておきましょう。

5.イラストのテイストは一定にする

同じコンテンツのページ(特集など)で数点イラストを描くときは、イラストのテイストを一定にしましょう。
色味や線の太さ、キャラクターのタッチなどを合わせることでイラストに世界観を与えることができ、見る人にも安心感をもってもらえます。

6.データをきれいにする

イラストが出来上がったら、クライアントに提出する前にデータをきれいにしましょう。
イラストに不要な部分を見つけだし、消しゴムツールなどで取り除きます。

Photoshopで作ったものは、Photoshopの自動選択ツールや目立つ色の背景レイヤーを敷く。
Illustratorで作ったものは、アウトライン表示や全選択することで不要な部分を見つけられます。

使用していないレイヤーも削除しておきましょう。

データをきれいにすることでファイルの容量が軽くなり、印刷時のトラブルを減らせます。
そして、イラストを使う編集者やデザイナーなど、ほかの人が使いやすいようになります。

イラストを描く人の多くは、描いたイラストで喜んでもらいたい人だと思います。
自分が作って終わりではなく、後にそのデータを使う人が使いやすいように作ることで、気持ちよく仕事ができると思います。

まとめ

レギュレーションやデータ形式などの確認は、当たり前のことだと普段思っていても、納期が短いときや、作成する点数が大量にあるとき、また、他の仕事で忙しいときなど、意外に忘れてしまいます。

私自身、忙しいときでも焦って混乱しないように1つずつできることをしっかりやっていきたいと思いました。
それでは、また。