50〜100名の会社でホームページのリニューアル担当者になったらすること。

皆さんこんにちは! ウェブディレクターの堤です。
今回は、50~100名規模の会社で、突然、ホームページのリニューアルを任された場合にすることを解説します。

最初に結論めいたことを言ってしまいますが、経験豊富で良心的なホームページ制作会社を知っていれば、プロジェクトの初期から相談して進めることができます。そういった、パートナー企業が見つかれば、リニューアルは半分成功したも同然です。

ただ、そういった企業がすぐに見つからない場合や、悪徳業者に騙されないためにも、この動画でしっかり勉強していただければと思います。

心構え

ホームページは会社の売り上げや採用を直接左右するものです。ホームページの担当に任命されたということは、きっと、会社から大きな期待をされていることでしょう。プレッシャーもあると思いますが、ぜひ、プロジェクトを成功させて、会社の期待に応えてください! 

Ⅰ. 現状把握

①自社を知る、ホームページの役割を知る

入社間もない方は、まず、会社のことをしっかり理解してください。自社の歴史や収益構造を知らないと、ホームページを作ることはできません。また、自分の会社はホームページをどのように活用しているか。SNSや他の媒体、例えば紙のカタログとの関係性は? 
そういった現状を把握するために、前任者や出入りの業者に聞き取り調査をしましょう。前任者がいない場合でも、社長やベテラン営業マン、人事担当者が、これまでホームページをどのように活用していたか、聞いてください。

➁自社とライバルの分析

まず、ライバル数社のホームページを見てみましょう。ホームページはどんどん更新されるので、数年前は自社の方が新しく、充実していたとしても、今見ると、ライバルの方がよいホームページになっている場合もあります。
自社のホームページに、Googleアナリティクスなどの解析ソフトが入っている場合は、毎日何人くらいのユーザーが見ているかや、どのページがよく見られているかがわかります。

③現在の問題点抽出

  • デザインが古い
  • スマホ対応されていない
  • 長期間更新されていない
  • SNSと連携できていない
  • ターゲットに響く内容になっていない

など、自社ホームページのレベルが低いところや、ライバルに負けているところを書き出してみましょう。
これが、リニューアルすべき項目になります。

Ⅱ. 目的・ターゲットの確認

ホームページリニューアルに求める効果は何ですか? 
何のためにリニューアルしますか? 
自分で考えるだけでなく、社長や上司にヒアリングしてください。出てきた意見を文章でまとめ、共通認識にしましょう。これがリニューアルの目的となります。

たとえば、「古くなったデザインを一新し、高精度の製造技術を持っていることを感じさせる、洗練されたデザインにする。
パソコン、スマホ、タブレットで閲覧可能にし、あらゆるステークホルダーに情報を届ける。採用コンテンツを充実させ、来社する学生の入社意欲を高める」といった感じです。

また、ホームページのターゲット(ステークホルダー)は誰ですか? 50~100名の中小企業の場合は、株主にアピールする必要がないので、ほとんどの場合お客様、学生(とその親)になるのではないでしょうか。
そして、隠れたステークホルダーに自社社員がいます。優れたホームページは、自社社員のモチベーションや帰属意識の向上につながります、とまで言うと言いすぎかもしれませんね(笑)。

Ⅲ. 社内体制の確立

①承認者の確認

最終承認者は社長にお願いするのが理想的です。デザインやコンテンツの最終承認者が社長なら、それ以降ひっくり返ることがないからです。 または、社長から全権を任された方を承認者としてください。

承認者が複数の場合、根回しが必要なことがあります。特に、デザインやコンテンツは各承認者のこだわりが出る場合があるので、全体会議の前に各承認者の元へ出向き、プロトタイプを見せながら、「この方向性で進めてますが、問題ないですか?」と根回ししましょう。

もし、承認が上手くいかず、完成間近になって大きな修正が出ると、納期に間に合わなかったり、制作会社への特急費用が発生する場合があるので気を付けてください

②プロジェクトチームの選定

プロジェクトチームは、各部署から1名ずつ出してもらい計5人程度にするのが理想的です。5人程度なら意思統一がしやすく、作業分担もできるので、無理なくプロジェクトを進めることができます。
特にサーバーやシステムに希望要件がある場合は、情報システム系のスタッフを入れてください。

③制作会社との窓口担当の選定

ホームページ制作が始まると、制作会社と頻繁に連絡を取り合う必要があるので、窓口担当を決めてください。
たいてい、全体の担当とシステム担当の2名で、それぞれ必要に応じて連絡することがほとんどです。

Ⅳ. 業者選定

①RFPの作成

指定業者がない場合や、大きなプロジェクトの場合は、複数の会社から提案と見積もりをもらいましょう。3社から5社程度から提案を受けるのがお勧めです。

そのために必要なのが、RFP(Request for Proposal)=提案依頼書です。
同じ条件で複数社から提案を受けることで、提案内容や価格を比較することができます。
初めてRFPを作る場合、まず「RFP サンプル」などで調べて、参考にしてください。RFPはおおざっぱすぎても、細かすぎてもいけません。中小企業の場合A4用紙2~5P程度が適切かと思います。
RFPには200~300万円というように、予算も入れてください。

RFPを作る際は、1社、コミュニケーションをとりやすい会社を見つけて、その会社と相談しながら内容や予算を詰めていくのがお勧めです。提案時、その会社は有利になりますが、最終的には、あくまで実力で選んでかまいません。RFP作成に協力してもらう会社には、先にその旨を伝えておいてください。

②参考ホームページを探す

RFPには、参考ホームページ、見本にしたいホームページを複数入れるとよいでしょう。URLを記入し、コンテンツ、色、ページ構成、アニメーションなど、そのホームページのどこを参考にしたいのか明示してください。
参考にしたい箇所が、明確であればあるほど、精度の高い提案が受けられます。

各社の価格感だけ知りたい場合は、このサイトならいくらでできますか?と聞いてみるのも1つの手でしょう。
ホームページ制作会社としては、他社が作ったホームページは、裏側がわからないので、正直、とても困るのですが、各社の価格感だけ知りたい場合は「あり」だと思います。

デザインの参考になるギャラリーサイトをご紹介します! 
MUUUUU.ORG
国内外に関わらず、全世界のスタイリッシュなウェブサイトが集まっています。

Web Design Clip
メインカラー・サブカラー・レイアウト・カテゴリー等でソートをかけることができます。
特にコーポレートサイト・事務所系のウェブサイトが豊富に掲載されています。

LPアーカイブ
ランディングページという、1ページのウェブデザインに特化したサイトです。
更新頻度が高く、検索の条件指定も豊富です。LPの重要な要素であるキャッチコピーを一覧で見れる機能もあります。

③CMS選定

CMSとは、(Contents Management System)の略で、SNSやブログと同じような感覚で、管理画面からホームページを更新できるソフトです。
ホームページ公開後も頻繁に情報を更新する場合、この機能はマストといえます。CMSには、さまざまな種類があるため、機能や価格で選んでください。必要な機能を羅列して、この要件に合うCMSにしてくださいという記述でも構いません。
ここも、制作会社の協力があると楽ですね。

④会社の決定

複数社から提案を受けると、各社の特徴や価格感が見えてきます。安いけど、クオリティが低い会社はおすすめしません。技術力・対応力と価格のつり合いがとれていて、プロジェクトが成功する確率が高い会社を選んでください。
提案内容に対して、「ここを変えてくれたら発注したい」という場合は、遠慮なく伝えてください。

Ⅴ. 専門知識を勉強しよう

①必要なことに予算を使う

良心的な制作会社なら、本当に必要な機能やサービスを、コストパフォーマンスも含めて提案してくれますが、悪徳業者とまでいかなくても、自社の売りたいものを売る会社の場合、自社に必要のないものを勧めてくる可能性があります。
そういった場合、「うちには必要ありませんと」言えるよう、専門知識を学びましょう。

②ホームページ制作の大まかな流れを知る

プロジェクトが始まると、制作会社と並走してホームページ制作を進めていきます。
プロジェクトの担当者は、上がってきたデザインをチェックし、社内の承認を得て、的確な修正指示を決められた期間内で指示する必要があります。

一度、デザインが確定して、コーディング・実装段階になってから、デザインの修正が必要になると、手戻りとなり、納期内での完成が難しくなったり、追加料金を請求されたりします。
ホームページ制作の流れを一通り知っておくと、プロジェクトを安心して進めることができます。

Ⅵ. 公開後もホームページを育てよう

ホームページは公開して終わりではなく、公開してから、目的を達成できるかが重要です。
アクセスログ解析、問い合わせ数と内容、「製品情報が見やすい」「ホームページを見て入社意欲が高まった」などの定性(ていせい)情報、SNSや広告のアクセス状況を定期的に確認し、ホームページの改善に活かしましょう。

アクセスログ解析ソフトでは、訪問者数、ページごとの閲覧数、年齢などの属性を見ることができます。特に指定がなければGoogleアナリティクスを使ってください。Googleアナリティクスは、最も高機能で最も一般的、そして無料で使えるソフトです。ただし、自社ホームページへの組み込みが必要なので、制作会社から提案がない場合は、依頼してください。
解析データをもとに、ホームページの更新を行うことで、目的達成しやすくなるでしょう。

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いかがだったしょうか? 「かなり、やることが多い」という印象だと思います。

ただ、安心してください。最初に申し上げたように、早い段階で、経験豊富で良心的なホームページ制作会社に声をかければ、プロジェクトに必要なサポートを受けることができます。

今回はネクストページでの経験をもとにお話しさせていただきましたが、絶対にこれが正解! というものではありません。他社から違う方法を勧められて、そちらの方がよいと思ったなら柔軟に取り入れてください。
動画を見てくれた皆様のプロジェクトが成功するよう祈っています! 頑張ってくださいね!