インクジェットプリンタで、いろいろな紙にイラストを印刷してみた。

150907_titleこんにちは。デザイナーの金井です。

休日はたまに絵を描いて過ごしています。
私はPCに線画を取り込んでから彩色し、印刷も家のインクジェットプリンタを使うので、どの紙で印刷するかよく迷います。
そこで、今回のブログでは、いろいろな紙に自分の絵を印刷してみて、その違いの結果をまとめました。
今回印刷に使用した絵がこちら。
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 1枚目 アイボリー紙

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アイボリー紙とは

紙の種類に白板紙(しろいたがみ)というものがあります。紙に厚みがあり、両面もしくは片面が白くなっています。その白板紙の中でも、最高級品にあたるのがこのアイボリー紙です。
ケント紙と似ていますが、ケント紙よりも表面がツルッとしています。カード類、絵ハガキ、化粧品や医薬品の箱などに使われているそうです。

印刷結果

紙の表面が滑らかで、色も白いので、綺麗に印刷できました。
紙質がしっかりしているので、高級感があります。
見栄えを良くしたいときに、使用すると良さそうです。

2枚目 ワトソン紙

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ワトソン紙とは

主に水彩画に使われる紙なので、内面と外面に強めのにじみ止めが施されており、水に強いです。分厚く、表面も凸凹しています。
表面は粗いですが、紙質が強いので、消しゴムを使った時にも紙の表面が傷みにくく、デッサン・スケッチなどにも使われています。

印刷結果

表面が粗い紙に印刷することによって、アナログで描いたような暖かさが出ます。
もともとの紙の色が黄色味がかっているので、全体的に少しだけ黄色くなってしまいますが、それも絵に良い味わいを出してくれます。

3枚目 更紙(ざら紙・わら半紙)

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更紙(ざら紙・わら半紙)とは

印刷用紙の中でも、一番下のランクにあたるのがこの更紙です。
学校で配布されるプリントなどでよく使われていた、あのペラペラの紙です。
紙質があまり良くないので、一時的印刷物に用いられています。

印刷結果

更紙なので色はくすんでしまいますが、下級紙に印刷することで古い雰囲気が出て、絵がかっこよく見える気がします。
安価なので、ZINEを作るときに使ってみてもいいかもしれません。

4枚目 ハーネミューレ

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ハーネミューレとは

ドイツ製で、銅版画・リトグラフに適した紙です。
適度に厚みがあり、表面は少しざらついています。
水の吸い込みが早く、耐久性があります。

印刷結果

発色が良く、綺麗に印刷できました。
ワトソン紙同様、紙の表面に凹凸があるおかげで、絵に暖かさがでます。
しかし、そこそこの値段がする割に、印刷結果は安価のワトソン紙とあまり変わらなかったので、印刷用紙にハーネミューレを使うのは微妙かもしれません。

5枚目 みつまた入り鳥の子紙

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鳥の子紙とは

鳥の子紙(とりのこがみ)とは和紙の一種で、木版画、書道の用紙、ふすま紙などに使用されています。
鳥の子紙といっても、様々な種類があり、今回は三椏(みつまた)という原料が入った鳥の子紙を選びました。
手触りは和紙特有のざらつきがありますが、しなやかで、紙を光にかざすと、キラキラ光り、紙自体に優美さがあります。

印刷結果

色が全体的に少し薄くなってしまいましたが、紙自体に光沢と優美な雰囲気があるので、その薄さもあまり気になりません。
上の画像では分かりませんが、紙全体が薄くキラキラ光っているのが、やはり良いです。
色を綺麗に紙に反映したい時にはオススメできませんが、特別感を出したい時には良さそうです。

6枚目 木炭紙

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木炭紙とは

主に木炭でデッサンをするときに使われる紙です。
木炭ののりを良くするために、簀の目(すのめ)と言われる横線の凸凹が一定の間隔で引かれています。
今回はフランス製のキャンソン社のアングルエコールを用いました。

印刷結果

木炭紙に印刷するという初の試みでしたが、簀の目のおかげで絵にいい味が出ます。
黒が基調の絵でも、簀の目が映えて味が出そうです。
安価で色も比較的綺麗に出るので、一度印刷してみる価値有りだと思います。

7枚目 厚美濃紙

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厚美濃紙とは

日本画用和紙で、岩絵の具の薄塗りや水干(すいひ)絵具などの発色が良いので、日本画の初心者によく用いられています。また、書道や版画、水墨画にも適しています。
紙が薄く、少し透けていて、光に透かすと紙の繊維が見えます。

印刷結果

印刷した実物を見ないと分からないのですが、紙の透け感と質感のおかげで、絵自体も良く見えます。
古い雰囲気を保ちつつ、高級感が出ます。
個人的に、今回印刷した中で一番気に入りました。

まとめ

印刷用途以外の紙に印刷することは、とにかく楽しいです!
描いた絵が紙の質感に左右されるので、予測できないワクワク感があります。
印刷用の紙ではないので、色は若干くすんでしまいますが、紙質に特徴があるものに印刷すれば、色の忠実度はあまり気にならないと思います。
普通のプリンター用紙に印刷することに飽きてきた方は、一度試してみてはいかがでしょうか?

※印刷用途以外の紙を使用することで、紙詰まりなど、プリンタに問題が起こる可能性もありますので、気になる方はメーカーに問い合わせてから使用してください。