こんにちは、デザイナーのiuchiです。
今回は自動中割機能付きアニメーション制作ソフト「CACANi」を使ってみました!
中割とは、アニメーション制作で原画(動作の要となる絵)と原画の間の絵を描く作業の事です。
通常なら大量の絵を描くことになるのですが、それを自動化できるのであれば夢のような話です。
ただしこのソフト、中々曲者でして…使い方と一緒に説明していきます。
ダウンロード・インストール
「CACANi」はWindows用の有料ソフトです。
体験版もありますが保存ができないので、じっくり試したい人はライセンス(30日間15ドル~)を購入することになります。
ただし、先述したようにかなりクセのあるソフトなので、体験版を必ず触ってみてから購入を検討してください。
多分、合わない人には全然合わないと思います…苦笑
体験版は公式サイトのTrialをクリック→メールアドレスを入力→「私はロボットではありません」にチェック→「Agree & Download」をクリックでダウンロードできます。
インストールするとRegistration Key入力画面が表示されるので、届いたメールに記載されたキーを入力してください。
起動するとこんな感じの画面が出てきます。
一応日本語に対応している…ように見せかけて右クリックメニュー等は英語だったりします。
使い方
では実際に簡単なアニメーションを作成してみましょう。
まず「左にキーフレームを挿入」ボタンを2回押してキーフレームを3つに増やします。
「ブラシツール」で1フレーム目に右上がりな斜め線を上から描いてみてください。
2フレーム目には縦線、3フレーム目には右下がりな斜め線を上から描きます。
メニュー>フレーム>セルに中割を生成する>「挿入する中割りフレームの数:」に10と入力します。(10が入力できる最大値です)
そうするとこんな感じでフレームが増えます。パネルの端が切れて見づらい場合は端をクリック&ドラッグして伸ばしてください。
再生ボタンをクリックすると、描いた3枚の間の絵が自動生成されているのが確認できると思います。
地味ですね…でもとりあえずは使い方が分かったのではないでしょうか。
線を引く方向・描き順がミソ
さて、作例で描き順を上から指定にしたのは、うまく自動中割をするために描き順を意識する必要があるからです。
これは試しに2枚目を下から描いた例です…見事にひっくり返っていますね…
つまり、これより複雑な絵を描く場合でも、どこからどの方向に線を引くのか意識しながら作画しなければいけない訳です。
もちろん、1フレーム内に複数線を描くのであれば、描く順番も統一する必要があります。
もう少し複雑な絵を動かしてみる
作例が線のダンスだけじゃアレなので…汗 もう少し複雑な絵を動かしてみます。
Photoshopで描いたラフ画です。この2枚の間を自動中割してみます。
まずはラフ画をpngかjpgで書き出しておきます。
キーフレームを2に増やしてから、新規参照レイヤーを追加します。
参照レイヤー(Ref)をドラッグして通常のレイヤー(Layer)より下にくるようにしてください。
1フレーム目の参照レイヤー(Ref)を右クリック>「Load Image」からラフ絵の1枚目を挿入します。
線選択ツールで挿入した画像を選択して、位置や大きさを調整します。
2フレーム目も同様にラフ絵を挿入します。
後は描く順番と方向に気を付けて通常のレイヤー(Layer)に作画していきます。
1フレーム目に1本線を引いたら2フレーム目に切り替えて線を引く…というのが確実かと思います。(かなり大変ですが…)
メニュー下のこのパネルで線の太さや手ブレ補正の度合いなど(一番右の波線マーク)を調整できます。
また、線はベクターなので後で調整することができます。
ちょっとしたズレはひとまず置いておいて、最後まで描ききってみます。
描けました!
気になる部分をポイント選択ツールで調整します。
さて、これに自動中割を適用すると…
こんな感じになりました。
絵そのものが良くないので違和感はありますが…2枚描いただけでそれなりに動いてくれるのは便利ですね。
自動中割で作成されたフレームも手直しができるので、首がちょん切れてるところなど(苦笑)修正すればもう少しいい感じになりそうです。
まとめ
従来のアニメーションの制作方法とは全く違うので慣れるのに時間が掛かりそうですが、上手く使えば地道に描くより効率よくアニメーションが作れそうです。
まだまだ新鋭のソフトみたいなので、今後の発展に期待したいです。
それでは良きお絵かきライフを( >_<)ノシ