人生で一度は見ておきたい! 播州姫路・灘のけんか祭りの楽しみ方。

松原八幡神社と中村屋台
こんにちは。新人エンジニアのきっしーと申します。2度目の登場です。

秋が深まってまいりましたが、私にとって、秋といえば祭りの季節!
兵庫県姫路市(播州地方)では、毎年10月になると、各地で秋祭りが行われます。
今回は、数ある播州秋祭りの中でも、もっとも大規模で有名な「灘のけんか祭り」をご紹介いたします。

「どんな祭りなのかよくわからない」「”けんか祭り”っていわれると怖い!」「名前は聞いたことがあるけど…」

そんな方々の心をくすぐっていきたいと思います!

※お断り1. 先日、実際に10/14~10/15の2日間見に行ってきた写真をお届けしますが、
筆者の身長が156cmのため、人ごみの中で奮闘しつつ撮った限界となっております。
※お断り2. 今年は15日があいにくの雨模様でした。
少ししか見に行くことが出来なかったので、写真が1日目よりも少なくなってしまいました。
代わりに、過去の写真もあわせてご紹介しています。

目次

1. 灘のけんか祭りとは

灘のけんか祭りとは、もちろん人間がけんかをする祭りではありません。
五穀豊穣を願い、神輿(みこし)をぶつけ合うことからその名がついています。
また、灘地区の旧7村が、総重量2トン超の屋台(やたい)を担ぎ、競い合う「屋台練り(やたいねり)」が見どころです。

ちなみに、灘? 酒で有名な神戸の灘区? と思われますよね。
灘地区とは、兵庫県姫路市南東の沿岸部の通称です。不思議なことに、現在の住所には使用されていません。
灘はかつて、東山・八家(やか)・木場・宇佐崎・中村・松原・妻鹿(めが)の7村に分かれており、
この旧7村に住む男性は祭りに参加できます。

灘エリアの観光については前編がありますので、よろしければどうぞ。
(前回のブログ「姫路市の浜手エリア・灘地区をぶらりしてみた。」はこちら)

2. 見どころ

屋台

それぞれの村は1つずつ屋台を持っており、1年間で唯一、祭りの2日間だけ蔵から出してお披露目されます。
普段目にすることはできない、豪華絢爛な屋台を見ることができます。
お腹の底にまで響く太鼓の音、練子たちの「ヨーイヤサー」という力強い掛け声、屋台を地面に打ち付けた地響きが合わさり、祭りの雰囲気が盛り上がっていきます。

また、7村それぞれの屋台に色分けと特徴があり、装飾や担ぎ方の違いが楽しめます。

中村屋台

中村屋台

こちらの写真では、屋台の大きさがイメージしていただけるかと思います。
練り子たちが屋台を持ち上げています。これを「差す」と言います。

宇佐崎屋台

宇佐崎屋台

屋台練り

豪華な屋台は1つでも魅力的ですが、見どころは屋台の練り合わせです。
屋台同士を横にぴったりとつけて、押し合います。
屋台は重いのでゆっくりとした押し合いですが、不規則に回転や移動を繰り返すので360度から楽しめます。
様々な角度から見た屋台は、異なる味をしていますよ。

実は、この屋台練りには勝敗があります。
先に屋台が傾き、地面についてしまった村が負け、最後まで担ぎ続けられた村が勝ちです。
勝敗が決まれば、観客からは拍手がおきます。

屋台練り

二台練りの様子

写真は二台練りの様子です。
長時間、屋台を担ぎ続けて練り合わせるのは困難なので、タイミングを合わせやすい二台練りがもっとも多いですが、
運が良ければ三台練りを見ることが出来ます。四台練りとなると、とてもレアです!

神輿合わせ

神輿

※2015年度(晴れ)の写真を使用しています

こちらが神輿です。
毎年、順番に「練番」と呼ばれる村が決まっており、神輿合わせができるのは「練番」になった村だけです。
7年に一度の大イベントです。
年齢別に、神輿と担ぎ手を「一の丸」「二の丸」「三の丸」の3つに分け、神輿をぶつけ合います。
それぞれの神輿には神が乗っているとされており、ぶつけて壊せば壊すほど良いと言われています。

御旅山での練り合わせ(10/15本宮)

御旅山

御旅山での屋台練り

2日目の本宮では、午後からは場所を御旅山に移して、祭りを行います。
山が段々になっていますが、これは「桟敷(さじき)」と呼ばれる有料観覧用の土地です。
桟敷を所有している地元の人々は、このようなベストアングルから祭りを見ることが出来ます。
観光客の方は、御旅山の練り場は危険ですので、近づかないようにしてください。

3. 楽しみ方

夜の屋台

四台練り

貴重な四台練り! ※2016年度の写真を使用しています

夜になり屋台にライトが灯ると、幻想的な姿をみせます。
昨年の写真になってしまいますが、貴重な四台練りはこのような景色です。

出店

出店
祭りに出店はつきものですよね。
神社の周りには様々な出店があるので、もし屋台に飽きてしまっても、お腹がすいても心配ありません。
屋台の動きが少なくなるタイミングがあるので、その間は私も出店を楽しみました。

4. 初めての方向け情報

けんか祭りは、大きな屋台と練子、観客が密集する大規模な祭りなので、特に初めての方や小さなお子さんは安全に気を付けて楽しんでいただきたいです。
そのためには…

  • 屋台に近づきすぎない
  • 警備の誘導には従う
  • 歩きやすい靴

また、知っておくと便利? な、小ネタもいくつかご紹介します。

  • 駐車場はありません! 公共交通機関をご利用ください
  • 祭り当日は近辺の国道が交通規制で通行止めとなります
  • 神社から徒歩5分の場所にコンビニエンスストア2店舗あり
  • 桟敷(有料観覧席)以外は基本的に立ち見です。長時間になると疲れが出てしまうので、万全の体調だとベスト!

5. 開催日時とアクセス

開催日

毎年10月14日・10月15日の日付固定です。
両日、祭り進行のタイムテーブルは毎年決まっています。
※あくまで予定ですので、時間は前後します。

・14日(宵宮):雨天決行
・15日(本宮):雨が強い場合16日に延期することもありますが、時間短縮などして15日に決行する場合が多いです。
毎年秋晴れを願っていますが、もし今年のように雨が降ってしまった場合、やはり傘は危険です。
周りの人の視界を遮り迷惑をかけてしまうこともあるため、カッパをおすすめします。

日時とアクセス

【10/14 宵宮】

●終日、松原八幡神社にて
山陽電車・白浜の宮駅下車 南へ徒歩約5分(祭り当日は直通特急・特急が臨時停車します)
・一番始めに宮入りする村が11:00頃。その後20~30分間隔で順番に宮入り。最後の村の宮入りは14:00頃。
★おすすめポイント 行く時間が早すぎると、暇を持て余してしまいます…。お昼過ぎだと、屋台が続々と宮入りする様子が楽しめます。
★おすすめポイント 宮入りが終了した村から順に、屋台は神社の楼門の中に入っていきます。境内へ移動して、神社の中での練り合わせを楽しんでみてください。
・夕方16:00頃になると、再び楼門から屋台が練場へ出てきます。18:00頃~屋台は順番に各村へ帰るまでの間、練り合わせ。
★おすすめポイント 夕方になると、屋台にライトが灯ります。夜には違った味を楽しめます。
★おすすめポイント 17:00頃~祭り終盤までが、練り合わせのピーク! 個人的には、この時間帯が一番おすすめです!

【10/15 本宮】

●午前:松原八幡神社→午後:御旅山
山陽電車・白浜の宮駅下車 西へ徒歩約15分
または、妻鹿駅下車、南東方向へ徒歩約10分(普通列車しか停車しません)
・一番始めに宮入りする村が9:00頃。その後20~30分間隔で順番に宮入り。最後の村の宮入りは11:00頃。
・神輿の到着が12:00頃。その後、神輿合わせ。
・午後には順に御旅山へ移動。随時練り合わせ→順に山頂へ屋台上がり→16:00過ぎ頃~順に屋台下り→広畠(練り場)で練り合わせ。
・例年20:00前後まで練り合わせ、終了。

【10/15早朝 潮かきの儀】

●6:00頃~白浜海岸にて
山陽電車・白浜の宮駅下車 南へ徒歩約10分
・練番の村は早朝から海へ入り、お祓いをして身を清める「潮かき」という儀式を行います。
★おすすめポイント おすすめしたいところですが…。筆者は、14日の夜遅くまで友人と集まって飲み会などをしてしまうので、潮かきを早朝から見に行ったことがありません…。
興味のある方は、寒さにも負けない、練り子の力強さを見届けに行ってみてください。

6.最後に

八家屋台

八家屋台

灘のけんか祭りについて、皆さんが知らないであろうポイントをご紹介してきましたが、
やはり、文章と写真ではまだまだ謎が多くあるかと思います。
残念ながら今年度の祭りは先日終わってしまったばかりですが、
なんと! 来年の14日は日曜日ですので、休日を利用してお越しいただければ嬉しいです。